ハーマンミラー社のアーロンチェア。
「良いオフィスチェアはないものか…」と探しているうちに、遅かれ早かれこの椅子にたどり着く方も多いのではないでしょうか。
数多のレビューが絶賛するなか値段を調べてみると、25万円~ という、とても椅子に出せるような値段じゃない数字が見えて冷や水をかぶったのは私だけではないはず…
迷いに迷った挙句、なんだかんだ購入に踏み切り早一年。
ほぼ毎日使用している中で感じる、等身大の「良いところ・悪いところ」を書き並べてみようと思います。
どんな椅子か気になっている方、購入を迷っている方の参考になれば幸いです。
結論:満足度は高い。が、全員におすすめはしない。
結論としては、20万円を超えるだけあり、さすがに良い椅子です。
しかし、同時に「全員に手放しでおすすめできる椅子ではない」とも感じています。
どっちつかずな結論になってしまいましたが、なぜそう思うのか、具体的なメリット・デメリットを見ていきましょう。
アーロンチェアの「良いところ」(メリット)
1. 正しい座り姿勢を「強制」してくれる
少々とがった書き方になってしまいましたが、どうしても姿勢が崩れがちな座り作業において、これは大きなメリットであると感じています。
(以前は2万円弱のチェアを使っていましたが、さすがに比べるべくもないです。)
アーロンチェア(私が使っているのはリマスタードモデル)は、「ポスチャーフィットSL」によって脊椎(背骨)全体がサポートされ、場所によって張り感のちがう座面が体全体を無理なく支えます。
アーロンチェアは、全ての部品が、どのように座っても正しい姿勢とバランスを保てるよう設計されています。
アーロンチェア 製品詳細
公式の説明通り、「絶対に正しい姿勢で座らせてやる」という強い意思を感じます。
それでいて、きちんと座っている人間の動きに合わせてもくれるので、ただ「わがまま」なだけの椅子ではないというのも、アーロンチェアがよくできた椅子である一面だと思います。
2. 夏も冬も快適。「蒸れ」からの解放。
アーロンチェアは、座面も背面もすべて「ペリクル」という特殊なメッシュ素材でできています。
これがとても快適です。
- 夏: エアコンの効いた部屋でも、革張りやウレタン製の椅子だと太ももの裏やお尻が蒸れて不快ですよね。アーロンチェアは通気性抜群で、一日中サラサラです。
- 冬: 「メッシュだとスースーして寒いのでは?」と心配でしたが、全く問題ありませんでした。むしろ、暖房で部屋が暖まると、熱がこもらず快適なくらいです。
メッシュ素材というと「硬い」イメージがあると思いますが、というか実際「軟らかくはない」んですが、座り心地を大きく損ねるほどでもないですし、それを補って余りある「通気性の良さ」が座っている際の不快感を忘れさせてくれます。
3. PC作業におけるアームレストへの不満感が少ない
デスクワークをするにあたって、肘を安定して置くことができるアームレストは重要です。
この2点は結構重要で、「アームレストと背もたれの幅」が広いとそのすき間に肘が落ちますし、リクライニングに追従してこないと後ろにリクライニングした際に「アームレストと背もたれの幅」が広がり、やはりその際に肘が落ちます。
まあアームレストに関しては、アーロンチェアに限らずある程度の高級チェアになってくれば標準搭載みたいなものなのですが、まっすぐ座っているときもリクライニングしているときも、いつでも肘がアームレストにちょうどよく置かれているというのは、細かなストレスを感じさせない重要な点だと感じています。
4. 満足感 & 良い意味で割り切れる
身も蓋もない話ですが、「アーロンチェアを使っている」という事実は、単純に所有欲と満足感を高めてくれます。
というより、「25万円もするあのアーロンチェア」を使っているんだから、「椅子にできる限りの投資はした」「もうこれ以上悩む必要はない」と割り切ることができます。
椅子に限らず “良いモノ探し” に際限はありませんが、一つの明確なゴールにたどり着いた感があり、変に悩む必要が薄れたというのはメリットかなと感じています。
私自身、当初は3~4万円程度の予算で椅子探しをしていました。
ただ、調べたり試したりしているうちに、「さすがに高いやつの方が座り心地や機能面が良いなぁ」と感じることが多くなってきてしまい、どんどんと要求値が上がっていってしまった背景があります。
最終的に当初の予算は何の意味もなくなってしまいましたが、「アーロンチェアでダメならその他大勢の椅子もダメだろ」と割り切って(自分を言い聞かせて?)使っています。 (これが良いことかはわかりませんが…)
アーロンチェアの「悪いところ」(デメリット・注意点)
もちろん、良いことばかりではありません。使用している中で「うーん…」と感じた点ももちろんあります。
1. やはり高い。高すぎる。
これが一番のデメリットです。 新品だと20万円を超える価格。さすがにおいそれと手は出ません。
「椅子に20万て…」という価値観との戦いです。
いくら12年保証(!)があるとはいえ、初期投資としては尋常ではありません。
それに、じゃあ実際5万円の椅子と比べてどうかという話をしたときに、果たして4~5倍の価格に見合うだけの価値を感じるかというと、さすがにそんなことはありません。 (人それぞれだとは思いますが)
このあたりをどう割り切るかが、この椅子の購入に踏み切るかの最大の壁といえそうです。
2. くつろげない
そもそもが仕事・作業用の椅子としてデザインされているため、リラックスはまるで期待できません。
もちろんYouTubeやAmazonPrimeを楽しむことはできますし、ご飯を食べることだってできます。
ただ、その際の「くつろぎ感」を求めるのであれば、アーロンチェア以外の椅子の方がずっと適しています。

なんなら数千円のキャンプ用の椅子の方が「くつろぎ感」は高いです。
3. ほこりが溜まる
アーロンチェアというよりメッシュチェアの宿命でしょうが、椅子の各部にとにかくほこりが溜まります。
どの程度気にするかは人によりけりですが、数か月ぶりにふと目をやると、途端に目をそむけたくなります。








それから、夏場に扇風機を使うと、風の当たり方によってはほこりの塊がゴロゴロ飛ばされ転がってきます。
2~3ヶ月に一回程度ででも、適度な掃除は必要です。
4. 医療器具ではない(デメリットではない)
「何を当たり前のことを…」と言われてしまうかもしれませんが、アーロンチェアはその知名度や評価の高さ、すさまじい価格から、ついつい座ることに対するすべてを解決してくれる「魔法の椅子」のような錯覚を覚えてしまうこともあり得ます。
特に、購入を検討してハイになっているときはなおさらです。
私自身、「腰痛が良くなると良いな~と思ってるんです~」と店員さんに話したら、



アーロンチェアといっても医療器具ではないですからね~。
1時間も座ってれば、普通に疲れてはきますよ。
実際無限に座り続けられるかといったらもちろんそんなことはないですし、アーロンチェアに限らず、どんな高級チェアだったとしても適度な立ち歩きは必要という点は押さえておきたいですね。
まとめ:アーロンチェアの良いところ・悪いところ
本レビューが、アーロンチェアがどんな椅子か気になっている方、購入を迷っている方の参考になれば幸いです。
【追記】試座は必須!
もし購入を検討しているなら、可能な限り「試座」はしましょう。
アーロンチェアにはA(スモール)・B(ミディアム)・C(ラージ)という3つのサイズがあり、体格によって最適なサイズは異なってきます。


背もたれ上部、取っ手裏についている「突起」の数がサイズごと違います。
(画像はBサイズなので2個)
店頭で少し座っただけで完璧とはいきませんが、安くない買い物ですので、少しでも自分の体に合うものを見極めたいですね。
ハーマンミラー社の直営店・販売店なら、試座も可能だと思われます。

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